法政通信文学部史学科を卒業した、有紗です
こんなお悩みはございませんか?
もう3次指導だ!何からやればいいのかわからない!
分かります・・・2次が終わって間もないのに、少ない期間で3次を提出しなければならないという・・・
史学科と地理学科のみ3次指導がありますが、どの学科もかなり急ピッチで書かなければいけない状態になるでしょう
今回も
西洋史分野で最終卒論評価Aだった私が
どのように3次指導前の準備をしたのかについて
実体験をまとめました
些細ではありますが、良かったら参考程度に見て下さい
今回も、史学科卒の私の体験談となります。参考程度に見ていただけると幸いです。
史学は史料があるとさらに◎、本番は大抵の場合必要になります
地理は調査実施の有無が問われるのが、史学との違いですね、ほぼ同じですが
成績の保証は一切出来ません。また、内容は年度毎に異なる可能性があります。あくまで、2023年度の私の実体験をまとめただけです。
目次
2次指導のアドバイスを元に内容を詰める
3次でやること
1次指導と同じく、文書指導になります
が・・・
3次指導で求められるのは、清書出来るレベルに内容を詰めることが要求されます
人によっては、結構ボコボコに言われる可能性があるので覚悟して下さい!
まず最低限、構成はちゃんと理解して記すべきです
これは後でご説明しますね!
ちなみに、教授によって構成は大きく認識が異なるみたいなので、2次で貰った構成に関するレジュメを参照するのが一番安全だと思います。または史学科のしおりなどを参照するとか。
さて、私の場合は
1次=「紅茶の起源とイギリス社会への流入について」
理由:紅茶史がやりたい!何故イギリス社会に溶け込んでいるのか研究したい!本1冊だけ読んだ!
2次=「イギリスの茶文化、労働者階級の暮らしについて」
理由:4冊くらい関連資料を読み漁った結果!
起源の研究データが乏しい!イギリス社会ってざっくりしてるから、読んだ本や論文によく記載されている労働者階級に絞ろう!あと文化史の記述も多いから書きやすそうだ!
でも、代表的な本や論文には参考文献こそ労働者関係のを記載してあるのに、直接的な労働者の記述が少ないのは何で?
3次=「イギリス労働者階級における茶文化、生活の変容、茶と砂糖の関係性」
理由:2次で目的がはっきりしている、これなら現実的、安心したと言われたが・・・
アメリカ史との繋がりを学ぶように指摘された。
学んだ結果、どうやら茶と砂糖の文化や貿易は繋がっているらしく、2次でターゲットにした労働者階級の茶文化のデータも大量に出てきた。それは全体的に、労働者は砂糖入りの紅茶を栄養源としているように書いてあった。
じゃあ当時のデータ(史料)を用いて、茶と砂糖の関係性と意味を調べたほうが結論が出やすいかもしれない(いわゆる穴のこと)
とすると・・・?
「労働者階級の茶文化、茶と砂糖の関係性と意味」
が一番現実的なテーマなのかな?
となりました。
正直、めちゃめちゃ興味のある内容では無かったのですが(こだわりを捨てた)、調べていくうちに面白くなってきたのを今でも覚えています。
3次の段階で本格的に、史料詰めをした覚えがあります(書籍・史料で8~10冊程度に)
なんとまぁ、かなり変化しましたね!
では、どうやってそのデータ(史料)を詰めていったのでしょうか?
以下のやり方でまず、論文データを集めます(内容は2次と似ています)
資料の調べ方
・2次で教授に指摘された範囲を追加して視野に入れる
・2次の資料先を更に、調べていき、その最後に書いてある参考文献を芋蔓式に取り寄せて読む(私は8~10冊程度になりました)
・自分の詰めたい内容の本だけピックアップする、特に代表を6つくらい挙げておこう(卒論本番の資料を詰める時はこの資料を更に芋蔓+他資料を自分で探すと良いよ◎)
・全部読んだら、書けそうなタイトルを自分で定義してみる(他人の意見をまとめるのはレポートになってしまうので要注意)
3次指導は、参考文献を記載する場所があるので、パソコン派の方は事前に参考文献を文字起こししておくと後に便利ですよ(何度も書くの面倒だからね)
2次で教授の話を忘れてしまうと、かなり痛手を喰らうので、頑張って思い出してみて下さい・・・!(当時のメモがあると良いよ)
書籍・資料の調べに利用したもの
OPAC
OPACで、法政図書館の地下書庫を調べて、芋蔓式で見つけた英語の本を片っ端から借りてたら。なんと!当時のデータとかがたくさん出てきて、めちゃめちゃ卒論に近づきました!!
法政図書館にいけない人は、ご自宅まで取り寄せることもできるよ!(着払いだけど)
国立国会図書館サーチ
3次の時は、あまり使わなかったなー、とにかく時間が無かった!笑
Amazon
私の卒論の起源となる代表的な1冊はここで購入した
芋蔓式で調べた参考文献達も結構揃っていたので、片っ端からAmazonで購入するかOPACで借りてました
CiNii Research
西洋史に弱いので、私はあんま使わなかったけど・・・笑
Google scholar
Google scholarには本当に助けられました・・・ほぼ、ネット上にある論文はここから探しました
3次の内容詰め
さて、ここで重要なこと
恐らく2次指導により
以下の、2パターンの人に分かれると思うので、該当する方をご確認ください
軸決めが出来ている人
・2次指導で指摘された部分をよく調べる
先程も言いましたが、2次指導で教授にアドバイスを貰った内容は宝の宝庫です。よく思い出して、指摘内容を調べてみて下さい。きっと新しい資料に出会えるかもしれませんよ!
・史料詰めに詰まったら、参考文献を片っ端から芋蔓してみよう
さて、3次まで来ると結構史料詰めに行き詰まるかもしれません。でもご安心ください。その論文・書籍の最後に記載されている「参考文献一覧」の史料を先程ご紹介した「資料の調べ方」から更に更に芋蔓式に調べてみて下さい。かなり、研究が進むのでは無いかと思われます。
軸決めに悩んでいる人
・2次指導体験談でお話しした「穴」をもう一度探してみて下さい
「穴」とは、簡単に言えば、先行研究で直接的に触れられていないが、周辺データが揃っている私達大学生でも書けそうな現実的なテーマのことです。これが出来ないと本番作成にめちゃめちゃ苦労します・・・。良かったらこちらをご参照ください
・レポートではない論文である
今まで法政通信生は、レポートを書くことに慣れてしまっていると思いますが、今回は論文です!
根本的にこの2つは異なります!以下で違いをご説明しますね。
論文
研究テーマを自身で設定し、先行研究や資料を集め、その分析や考察した結果に基づき、自分の意見をまとめた文章
レポート
とある設題に対し、先行研究などを用いて自分の考えを客観的かつ論理的に説明する学術的報告書
ざっというと
論文「自分でテーマを設定し研究する学術的文章」
レポート「設題に対する学術的報告書」
これくらい違います
レポートにならないように、最新の注意を払って下さい
(皆、よくやるのでご安心を!)
周辺データが揃っていると、レポートっぽくなってしまうかもしれませんが・・・大事なのは、他人の空似な論文を書かなければ良いだけの話です。ちょっと捻るだけでだいぶ変わります。
ちなみに、3次から本番で、章・節などは大きく変化しても構わないみたいですが、調べるのがちょっと面倒になります
実際の指導書で具体例をご説明します
指導書で書くこと一覧
・論題(仮タイトル)
・研究目的(先行研究の例を挙げられると◎)
・結論か予測(この時点であると◎)
・章・節・項(それぞれの内容と仮タイトル)
・参考文献(行が少ないので、記載できるのは、6個くらいになる)
・(更に、地理は調査の有無を書くらしい)
?Question
章:文の区切り
節:更に細かい章分け・段落
項:節を更に細分化 (New!)
という意味です
この部分に関しては、実際の論文を見ると理解できると思いますので、いろんな論文を何度も見てみるのをオススメします
論文の基礎・構成
はじめに
第1章 第1節 第1項 第2項 第2節 第1項
第2章 第1節 第2節 第1項
第3章 第1節 第2節
おわりに
この構成については、教授からの指定があればそれに従って下さい
教授によっては、要旨を入れるだとか、序章・終章派とかあるみたいです笑 寧ろ、一回指摘されたほうがいいかも?
私の指導書
卒論論題「18世紀末からのイギリス労働者階級における茶文化
-産業革命前後の生活の変容と紅茶と砂糖の関係性と栄養について-」
もう、この時点でほぼ軸は出来ている感じでしたね(本番は違うタイトルにしましたが)
はじめに(先行研究と研究目的)
かつて、上流階級のステイタスシンボルであった茶と砂糖は、エンゲルスによれば18世紀末頃には、貧しい労働者階級にも嗜まれているという記録が残されている。しかし、その時代背景や産業革命期に生活必需品となる理由までは触れられることが少ない。本稿では、茶や砂糖がすでに生活に密着していると思われる18世紀から19世紀に着目し、産業革命期の労働者階級に茶と砂糖が生活必需品となった背景を辿り、労働者階級に習慣が流入した理由を考察したい。
2次指導よりもかなり具体的になりましたね(今の私から見ると大分粗さが目立ちますが)
第1章 17世紀から18世紀の茶文化変容
初めに、研究準備としてイギリスに茶が輸入された背景と変容について扱う。尚、先行研究で多くのことが判明しているため、次章の補足として扱う予定である。
第1節 英国の茶文化
第1項 西洋への茶輸入とオランダ 第2項 キャサリン妃と砂糖
( 他にも長々と項が続いているので省略・・・笑)
ここで、先行研究で分かっている事を用いて、自分の研究への誘いを狙っていますね
第2章 産業革命期の茶文化
次に、本論として第1節では工業化以降の都市生活の実態、第2節では茶文化を含めた食生活、第3章では結論に至るため、の当時の記録について言及したい。尚、各節では当時の日記や先行研究を参照・引用する予定である。
第1節 産業革命期の都市生活(エンゲルス参照予定)
第1項 都市生活の大きな変化
第2節 産業革命期の食生活 (ミンツ参照予定)
第1項 食生活の大きな変化
私が、教授からの指摘を受けて、これは書きやすそうだなーと思った先行研究達のデータを用い、大きく変化した時代をまとめようとしています。
第3章 栄養摂取とイギリス式茶文化
第1節 禁酒活動
第2節 当時の日記・データ(表を用いる予定)
ここが、研究のメインみたいですね。まだ、調べ尽くしていないのかスッカスカです。笑
おわりに (結論と予測)
産業革命期の茶文化は、過酷な労働環境による栄養不足や禁酒運動などの時代背景もあり、手っ取り早く、栄養補給源として砂糖入りの紅茶が労働者に好まれたと考察する。根拠として現代でもイギリスでは「イングリッシュ・ブレックファースト」文化として同様にカロリーを摂取している記録が複数見つかっていると川北が述べている。
尚、今後さらに文献を探り結論がさらに変化することを期待する。
?ここでの史料詰めについて
うる覚えで申し訳ないですが・・・
私の選んだ特に代表的な先行研究
角山「紅茶文化と変容について」(←資料の内容です)
川北「紅茶と産業革命期までのイギリス社会の文化」
ミンツ「砂糖と紅茶の文化について」(New!)
エンゲルス「産業革命期の労働者階級の生活」
自分が芋蔓で調べた英語の史料達「当時の家計データ、当時の日記(オールイングリッシュだったので、史料の解読は2割程度とやや脆弱気味)」(New!)
日本語文献の必要な部分は読破済みな状態でした
また芋蔓式で全て見つけたため
それぞれの書籍で参考文献一覧として必ず載っているという関連性の高さがありました
しかし、それぞれの主軸は一目瞭然全く異なるため
自分の研究に落とし込めそうなデータだけ、間接引用などをさせてもらおう!
という状態だったと思います。
しつこく言うけど、レポートにならないように注意しましょう。論文はまとめるだけじゃダメなんです。凄く混乱するよね。
論文は「自分の研究テーマを明確持ち、結論を主張する根拠として先行研究を引用する」のが一番良いです!
質疑について
ちなみに確認しておくと作成時に役立つかもしれない
質疑はこちらです
聞かなくても大丈夫ですが、卒論本番作成時に役立つかもしれません
・再引用は認められるか?(史料が取り寄せられない場合は、とある書籍からの再引用でしか手立てがない場合がある。英語史料に多いが日本史料は断られるかも)
・図や表を用いていいか?(図や表を使うと分かりやすいと多くの教授が高得点を出している)
これらの判断は、各教授によって大きく異なります
まとめ
以上、3次指導について実体験をまとめました
↓私的に、特に重要なのではないかと思う内容を要約します
・2次で教授に指摘された範囲を追加して視野に入れる(忘れると痛手)
・参考文献を片っ端から芋蔓してみよう
・レポートではなく論文にしなくてはいけない
・仮タイトル、研究目的・結論、章・節・項、参考文献(文献は6つ程度)
・質疑内容は決めておく
急に、求められることが多くなるし短期間で完成させなきゃいけないけど、私の経験談を良かったら参考にしてみて下さい!頑張れ!